『古びた天水尊の容れ物』

街はずれの集落のとあるお家に、大きなコンクリートの
貯水用の水槽がありました。
貯水用と入っても、そこに屋根からの雨水を引いて
貯めているだけの、いたってシンプルな構造のものです。
今は剥げてしまって、その文字が読みにくいですが
「防火用水」と書いてあります。
そういえば、昔から地域の集落では、防火用水をかねた
池や水槽などがありましたが、最近では消化水栓が
敷設され整備されてきたおかげで、めっきり見かけなくなりました。
大きな火事には、そういう消化水栓が整備されていないと
困りますが、ちょっとした小火(ボヤ)にはこのような防火用水で
十分に役立ってくれます。
そこだけが昭和の時代にタイムスリップしたかのようでした。
雨水は天からの尊い贈り物です…

『薪の風呂釜』

久しぶりに、モノクロ写真です。
街はずれの集落の裏路地を、被写体探して
散策していると、とあるお家のお風呂場の釜がありました。
奥に薪がおいてありますが、手前の風呂釜で
燃やすためのもののようですが、薪が置いてあるところを
よく見ていただくと、煉瓦の風呂釜があったことが
わかります。今は、薪を入れるところはふさがれて
その周りの煤だけが風呂釜だったことを示しています。
それでも、手前の風呂釜も薪を燃やすタイプで
その燃焼を助けるための火炎装置が付いているものです。
世の中はオール電化がはやりで、石油ボイラーでももう
古臭いよといわれそうなこの現代の景色の中で、
そこだけが昭和の時代にタイムスリップしたかのようでした。
手前のボイラーは今でも現役です…

『昭和へタイム・スリップ?』

街外れの集落で、裏通りに入るとそこには
二槽式の洗濯機が置かれていました。
現在の洗濯機は、一槽式の洗濯機が多く
屋外よりも屋内に置かれていることが多いですが
昭和の時代、狭い家屋の中ではなく
外においてあるのもよく見かけました。
私の家でも、昭和のころはやはりそうでしたからね。
しかし、この平成の時代に外に置かれている洗濯機など
ありませんよね。ここはその平成の刻から、遠くかけ離れた
昭和の時代の風景が、そのまま残っているかのようでした。
この洗濯機も昔は活躍していたんでしょうね…

『横路地の自転車たち』

モノクロの世界は、何気ない風景を切り取っても
まるで懐かしい古の時につれてきてくれるような
そんな気がします。
ひと気のない横路地の建物の壁
そこに置かれた時点と子供用の三輪車
それはまるで、いつか見たことのあるかのような
そんなどこか懐かしい風景なのです
モノクロの世界は面白いですね…

『御役御免になったモノ達』

モノクロの世界は、面白いですね。
ありきたりのものが、モノクロによって
よりその存在がアピールされる光景になることがあります。
街外れの集落の軽一台がやっと通れそうな
細い裏路地にそれらはありました。
雨にさらされるような場所に、古い扇風機と
何かの機械のモーターが、物寂しげに
おかれています。
きっと彼らはずっと昔に活躍していたのでしょう。
いまは御役御免になり、物静かに朽ちていくのを
待っているかのようです。
モノクロ世界では彼らは汚れた姿を見せずにすみます…

『蔵の丸窓と波トタン』

ここの記事では、珍しくモノクロ画像です。
実は、ちょっと思うところありまして、人から頂き物の
モノクロフィルムを使ってみました。
町外れにある国道が通っている集落
古い家があちこちに点在しています。
そのうちのひとつに、蔵がありました、
しかし、本来は土壁の土蔵なのであろうと思いますが、
土壁のままでは、風化が進むので、
その土壁には雨風を防ぐトタン。
蔵の丸窓には、雨よけのひさし。
なんだか、新しいものと古いものが混在し
それが、妙にマッチした不思議な光景なのでした。
実物見るともっと雑味があるんですけど、モノクロですっきりしました…